翼の帰る処(妹尾ゆふ子) カテゴリ記事一覧
- 【翼の帰る処 (4) ―時の階梯― 上】望みとは違う隠居
2013.03.02
翼の帰る処 (4) ―時の階梯― 上(妹尾ゆふ子) 四大公家の《灰熊公》から《金獅子公》に譲られるはずの馬を横取りしたことを発端として、四の君と五の君は真上皇帝により粛正された。庇った北嶺王は謹慎という名目で帝都から遠ざけられ、同じくセンヴェーラ妃とその出身である《白羊公》は中央での権力を失ってしまう。書評評価:☆☆☆☆☆ 四大公家の《灰熊公》から《金獅子公》に譲られるはずの馬を横取りしたことを発端として、四... - 【翼の帰る処 (3) 歌われぬ約束 上】押し寄せる難題
2011.09.03
翼の帰る処 (3) 歌われぬ約束 上(妹尾ゆふ子) ヤエトがようやく床払いをしてジェイサルドの監視から逃れられたとホッとしたのも束の間、皇妹から黒狼公としてのヤエトに復縁の提案がなされる。受けるも断るも彼の自由という皇妹の言葉に、余計に悩みが深くなる。書評評価:☆☆☆☆☆ ヤエトがようやく床払いをしてジェイサルドの監視から逃れられたとホッとしたのも束の間、皇妹から黒狼公としてのヤエトに復縁の提案がなされる。... - 【翼の帰る処 (2) 鏡の中の空 下】未来視も鎖となるのか
2011.09.02
翼の帰る処 (2) 鏡の中の空 下(妹尾ゆふ子) 黒狼公の領地の隣国を所領に持つ第二皇子から盗賊捕縛協力の要請がある。それに協力する過程で、ヤエトは彼の恩寵である過去視の対となる未来視の恩寵の持ち主と出会う。そして、預言を与えた人々を取り込んでいくさまに、そして未来視を絶対視し自らの努力を放棄する人々に、軽いいらだちを覚えるのだった。書評評価:☆☆☆☆☆ 黒狼公の領地の隣国を所領に持つ第二皇子から盗賊捕縛協... - 【翼の帰る処 (2) 鏡の中の空 上】新たな舞台へ
2011.09.02
翼の帰る処 (2) 鏡の中の空 上(妹尾ゆふ子) 北嶺郡を北方民族から護り、隠居願望を満たせるかと思ったヤエトだが、事態は彼の願望に反し、北嶺は郡から国へと格上げ、皇女は北嶺王となり、その相に任じられたヤエトも、貴族になることとなった。叙爵のため赴いた帝都の新年の祭で、皇帝はヤエトに思わぬ位を与える。書評評価:☆☆☆☆☆ 北嶺郡を北方民族から護り、隠居願望を満たせるかと思ったヤエトだが、事態は彼の願望に反し... - 【翼の帰る処 (下)】枷から解き放たれる
2011.09.01
翼の帰る処 (下)(妹尾ゆふ子) 表紙が上巻と似た構図なのだけれど、鎖の部分の違いが下巻の内容を象徴的に表している気がする。ただ、性格的には皇女の方がこの構図に似合うけれど、そこまで誘導したのはヤエトだった気がしなくもない。もっとも、彼の性格的には、鎖をちぎるというような積極的活動はしなさそうだから、これが正しいのかもしれない。書評評価:☆☆☆☆☆ 表紙が上巻と似た構図なのだけれど、鎖の部分の違いが下巻の... - 【翼の帰る処 (上)】見かけの派手さではなく、精緻な細工が魅力
2011.09.01
翼の帰る処 (上)(妹尾ゆふ子) 帝国の官吏であり、数百年前に帝国に併呑された王国の末裔でもあるヤエトは、帝国の辺境、北嶺郡の尚書官に左遷される。彼以外の官吏は全て現地採用であり、控えめに言っても官吏ごっこをしている程度の能力しかないが、代わりにのんびり過ごせるとヤエトは思っていた。そんな辺境の地に、皇帝の末娘が太守として着任する時までは!書評評価:☆☆☆☆☆ 帝国の官吏であり、数百年前に帝国に併呑された... - 【翼の帰る処 (3) 歌われぬ約束 下】恩寵の力と肉親のつながり
2011.08.31
翼の帰る処 (3) 歌われぬ約束 下(妹尾ゆふ子) ルス公家の支配する敵地に赴いたヤエトは、そこで彼の過去視の恩寵を前提とした真上皇帝陛下kらの伝言を受け取る。恩寵を隠し通そうとすれば、陛下の伝達官にして商人のナグウィンが死ぬ。彼を助けようとすればルス公家の内紛に巻き込まれかねないし、何より恩寵がばれてしまう。巧みに作られた罠にはまったヤエトは、こういうときにはまず、自分のことよりも北嶺王のことを、誰か...