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【さよならピアノソナタ encore pieces】いつか再び、違うかたちで出会うまで

さよならピアノソナタ encore pieces(杉井光)

 音楽に生きる人たちの人間関係を描く物語。アンコールという形になっているので、本編のキャラクターたちの後日談を描いている感じ。基本的にはハッピーエンドです。
 ここだけ読んでもよく分からないので、既刊を先に読まれることをお勧めします。



書評


評価:☆☆☆☆☆

 アンコールなので、盛り上がった熱をいや増すように、あるいは穏やかに冷まして日常に戻すかのように、メインキャラクターたちを主役とする小品が5編まとめられている。
 真冬と直巳の結婚と絡めた、音楽家の愛の証にまつわる話や、神楽坂の情熱の火が灯された瞬間の話も良いのだけれど、ここはあえて、千晶とユーリの話にふれたい。

 ベースとドラムスはリズムセクションであり、バンドを疾走せる原動力でもあるらしい。そしてその片足である直巳がいなくなってからも、千晶は変わらずリズムを刻み続けて来た。
 一見すると千晶の話は、フェケテリコの新人ベーシスト橘花をメインとする話にも見える。でもこう考えると、何があってもひたむきに進み続け、傍らにある者へ前に進む力を与えられる千晶の凄さを表している話なのかも、と思った。

 ユーリは人を惑わすいたずら好きの妖精みたいな感じで、どこまで本気なのかよく分からないように感じる部分もあったけれど、少なくとも音楽に関しては本気なのだなと思った。自分の気の赴くままに演奏しているようでありながら、本当は何を求めているかよく分からない。
 そんな彼を導く恩師、ルビンシテイン教授の存在はたぶん大きい。この教授は、たった2回、それも手紙という古き良き意思疎通媒体でしか登場しないのだけれど、その率直な語り口は、彼を負のループから救い出す一助になったことだろう。
 でもやっぱり演奏は、特定の誰かに向けたものも良いけれど、万人に向けて供される方がうれしいな。だってその誰かにボクがなることはなさそうだから。

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