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【鳥葬 -まだ人間じゃない-】仮面を剥がれる場所

鳥葬 -まだ人間じゃない-(江波光則)

 男子高校生が一人、ラブホテルで死んだ。その少年、八尋と同じ高校に通う陵司は、彼が死ぬ前に「過去に殺される」というメールを受け取っていた。そう、彼らには殺されてもおかしくない過去がある。




書評


評価:☆☆☆☆☆

 男子高校生が一人、ラブホテルで死んだ。その少年、八尋と同じ高校に通う陵司は、彼が死ぬ前に「過去に殺される」というメールを受け取っていた。そう、彼らには殺されてもおかしくない過去がある。
 小学生の頃、花火大会で街が盛り上がっていた夜に、親元を抜け出した瑛次、燈子、陵司、桜香、八尋は、道路に向けて石を投げる遊びをしていた。そのうち、陵司が大きな石を道路に投げてしまい、それにコントロールを奪われた車が事故を起こし、運転手は死んでしまったのだ。

 幼さゆえに裁かれることもなく、責任は全て両親が背負い、ただ反省を促されるだけでどう償えば良いかも教えられなかった少年は、ただひとり孤独に生きることで自身の存在を許容していた。そして、八尋は陵司の罪を勲章として纏い、それを武器にして荒れた人生を送っていたのだ。
 八尋の通夜で桜香と再会した陵司は、八尋の死の真相を明らかにしようとする。

 ボニー&クライドのような生き方を選択した瑛次と燈子、罪を隠し自分を偽って周囲に溶け込んできた桜香と、それぞれ生き方は異なれど、久々に再会した4人の中では、一切、嘘が差し挟まれない。そこが彼らの最後の拠り所となっている。だからこそ、その関係に嘘を持ち込んでしまった時、それまで必死によろってきた仮面が破綻し、維持できなくなってしまうのだ。


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