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【からくさ図書館来客簿 ~冥官・小野篁と優しい道なしたち~】死後の生、現世の生

からくさ図書館来客簿 ~冥官・小野篁と優しい道なしたち~(仲町六絵)

 北白川にある私立からくさ図書館の館長を務めるのは、まだ若い男性だ。時子と呼ばれる女子高生くらいの女性と共に、二時間300円で席を提供し、一杯の茶を饗する。未だ常連客も少ない、ひっそりとした図書館には、悩みを抱えた人々が訪れる。彼らに館長である小野篁が声をかけた時、この図書館は本当の姿を現すのだ。




書評


評価:☆☆☆☆☆

 北白川にある私立からくさ図書館の館長を務めるのは、まだ若い男性だ。時子と呼ばれる女子高生くらいの女性と共に、二時間300円で席を提供し、一杯の茶を饗する。未だ常連客も少ない、ひっそりとした図書館には、悩みを抱えた人々が訪れる。彼らに館長である小野篁が声をかけた時、この図書館は本当の姿を現すのだ。
 彼らの悩みの元となっているのは、道なしという、本来ならば六道のひとつ天道に行く資格を持つ死者たち。ところが現世に未練を残す彼らは、天道へ行くことが出来ず彷徨っている。そんな彼らを天道へと導くのが、閻魔大王の官吏たる冥官だ。第十八位の冥官である小野篁と、冥官見習いとなったばかりの時子は、道なしにつかれた人間たちと交流し、その悩みを本で知ることで、現世を生きる人間と、亡くなった人間を救っていく。

 連作短編4話から構成されており、様々な理由で未練を持つ亡者たちを解き放ちつつ、小野篁と時子の過去も描いていく。第2話も良いけれど、第3話などはじんわりきてしまう。

 小野篁と時子は歴史上の人物であり、小野篁は嵯峨帝の御代に、六道珍皇寺の井戸を通り冥界と行き来していたという伝説を持つ。一方、時子は仁明帝の皇女であり、内親王として賀茂社の第二代斎院となりながら、二年足らずでその任を解かれ、祖父の滋野貞主のもとで不遇の生涯を送らされ、早世した人物だという。
 冥官の上司には、弘法大師や安倍晴明もいるらしい。


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