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【三井澄花と四角い悪魔】悪魔どころか天使しかない

三井澄花と四角い悪魔(高遠豹介)

 まずはタイトルの四角い悪魔というのが何か、ということですね。これは財布の中にはいっている悪魔、クレジットカードのこと。ボクはよく使うから、悪魔というよりは天使だと思っていますけれど。



書評


評価:☆☆☆☆☆

 まずはタイトルの四角い悪魔というのが何か、ということですね。これは財布の中にはいっている悪魔、クレジットカードのこと。ボクはよく使うから、悪魔というよりは天使だと思っていますけれど。
 大学二年生の菱見勇司は、儲かるという詐欺話に騙され、一千万円以上の借金を作り、せっかく入った大学も辞めざるを得なくなってしまった。しかし彼は、支払能力はなくとも、返済しようという誠意だけはなくさない。その、債権者とのやりとりを聞いていた三井澄花は、彼の借金を肩代わりし、代わりにクレジットカード会社の契約社員として、自分の下で働くように条件を出した。

 それは菱見勇司にとって上手すぎるくらいの話。また騙されていると思うかもしれないが、そんなこともなく、そこは一流企業で、同僚の斎田莉奏奈も含め、彼女たちは取り立て困難な延滞者の督促を担当する部署で働いていたのだ。
 彼が初めて担当することになったのは、アイドル顔負けの女子高生・遠藤織子。十万円超の滞納をしているらしい。実際に会ってみたところ、彼女は大人しくて真面目で、しかし返済能力がない。疑問に思った菱見勇司は、その背景を調査してみることにする。その結果分かったのは…。

 四角い悪魔と銘打っているのだけれど、どこに悪魔がいるのだろう?上司はメチャクチャ優しいし、丁寧に仕事を教えてくれる。とても採算ベースにのる仕事のやり方とは思えないけれど、とある事情があってそれでも問題なし。そして取立てに行く菱見勇司は、債務者に同情して、債権者の枠を飛び出しかねない献身を見せるのだ。
 実際、リボルビング払いの話や詐欺の話を考えれば、ネタとしてはとても怖い世界を扱っているはず。それなのに、描かれる世界は明るくて健康的。物語としてはそれで成立しているし、面白いのかも知れないが、これで逆にクレジットカードを甘く見る読者も現れてしまうのではないかと、少しだけ心配。余計なお世話なんだけどね。

 怖いところは怖い。痛い目を見る人間はしっかりと痛い目を見る。それでいて誠意ある人間に救いが用意されるという構成にした方が、現実を踏まえつつ、エンターテインメントとしての要件も満たせるのではないだろうか?

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